交通事故コラムcolumn

  • 2019.06.28

交通事故で頭を打ったときは要注意。被害者家族が注意すべきポイントは?

歩行中など『生身』で車にはねられた場合,被害者ご本人は事故の瞬間を覚えていない方がほとんどです。家族が駆け付けた時には意識が戻っていてもすぐには安心できません。頭にキズが見られるときは頭を打っているので高次脳機能障害が残る可能性があります。この症状は自覚がないので,ここではご家族が注目すべきポイントを弁護士が解説します。

 



目次

1 意識が戻っても安心するのはまだ早い!

2 CTで異常所見が無くても安心するのはまだ早い!

3 高次脳機能障害とは

(1)脳の高次機能とは

(2)異常があればこんな症状が出ます

4 家族だからこそ異常に気が付ける

(1)本人は気が付けない

(2)家族にしか分からない微妙な違い

(3)注目すべきポイント

5 まとめ



本文

1 意識が戻っても安心するのはまだ早い!

「お母様が歩行中,バイクにはねられてケガをされたので〇〇病院へ救急搬送されました」
交通事故のしらせを聞いたご家族は病院に駆けつけます。変わり果てた母親の姿,衝撃を受けるなかで,本人に意識があることは不幸中の幸いです。
意識が戻ることは良いことには間違いありません。
しかし,事故直後,ご家族が駆け付けるまでに意識を失っている時間があったかどうかをまず確認してください。意識障害の程度にもよりますが,短時間しか意識を失っていなかった場合にも,高次脳機能障害が後遺障害として残る可能性があります。

2 CTで異常所見が無くても安心するのはまだ早い!

 救急搬送先の病院では,急性期の症状としてCT(コンピューター断層撮影)の撮影がされることが多くあります。その結果,特に異常が見られなかったとしても,それだけでは安心できません。脳の白質という箇所の病変はCTでは分かりにくいことも多く,MRI(磁気共鳴撮影)の撮影を行うと異常が見られることがあります。

3 高次脳機能障害とは?


(1)脳の高次機能とは

 これまで高次脳機能障害と繰り返していますが,それはつまり,「脳の高次機能」の障害のことです。
 「脳の高次機能」とは何でしょうか。それを何かを理解するには,脳が行う情報処理の仕組みを知っておく必要があります。
 たとえば,喫茶店に入った時をイメージしてみてください。「あ,コーヒーの香りがする。」,こう感じることができるのは「脳の高次機能」の働きがあるからです。
 脳の情報処理は,大まかには「入力」・「計算」・「出力」に分けられます。
「入力」とは,一次感覚野で情報をキャッチすること。上の例では,嗅覚です。コーヒーのにおいをキャッチする。
しかし,それだけでは,そのにおいがコーヒーの匂いだとは判断できません。その匂いから,今までに知っているコーヒーの匂いを呼び出し,その匂いと今嗅いだ匂いが同じだと判断する,これが「計算」です。そして,その判断の結果,「今嗅いだ匂いはコーヒーの匂いだ」と認識するのが「出力」です。
脳は情報をこのような一連の流れで処理します。そして,この「入力」直後から「出力」直前までを,「脳の高次機能」と言います。なお,「高次機能」に対して,運動機能や感覚機能を「脳の低次機能」と呼ぶことがあります。

(2)異常があればこんな症状が出ます

 「脳の高次機能」に障害がある場合,つまり高次脳機能障害がある場合は,次のような症状が特徴的です。上の分け方でいう「計算」の部分がうまくできないことによる症状です。
・意思疎通がむずかしくなった
・右(左)だけ見えていないような行動をとる
・良し悪しや順序を考えて行動することができなくなった
・注意力の低下,落ち着きがなくなった
・怒りっぽいなど感情的になりやすくなった
 具体的症状については,別記事で詳しく紹介しておりますので,そちらもご参照ください。
 →高次脳機能障害,具体的にはどんな症状が出る?よく見られる症状と発見のポイント

4 家族だからこそ異常に気が付ける


(1)本人は気が付けない

 上で見たような症状は,事故に遭われた本人は気が付けません。人に指摘されて気が付くことはありますが,本人は普通にしているつもりなので,自覚するというのは困難です。

(2)家族にしか分からない微妙な違い

 主治医の先生は,様々な医療的検査を行います。その中には,人格特性を評価するテストもあります。
しかし,家族が感じる「なんとなく雰囲気がおかしい」という微妙な印象までは,検査で測りきることは現実的ではありません。事故によるショックなのか,脳の異常なのか…家族だからこそ分かる微妙な違いを,ご家族が説明する必要があるのです。

(3)注目すべきポイント

 その説明は,具体的には,高次脳機能障害を理由とした後遺障害の申請をする際,「日常生活報告書」という書面に記載して行うことになります。
その書面にはたくさんの質問事項がありますが,それらは全て事故前と記載時点(症状固定時)の状態を比較する内容なので,治療から以下のポイントに注目して,記載作成に備える必要があります。
・受けた指示を理解できるか
・自発的に考えて行動できるか(発言,準備,片付け,服薬,スケジュール管理など)
・年齢にそぐわない行動,発言がないか(甘えるなどの子供っぽさ)
・すぐ感情的にならないか
・些細なことに異常なこだわりを見せないか
・TPOをわきまえない行動がないか(大声をだす,じっとしていられないなど)

5 まとめ

 ご家族が車やバイクにはねられた時,ご家族は心配でたまらないと思います。
 しかし,適切な賠償金を獲得するためには,適切な後遺障害の等級認定を受ける必要があり,高次脳機能障害の場合はご家族の協力が不可欠です。
 今回はそうした理由から,ご家族が注目すべきポイントを解説しました。
 しかし,これ以外にも,主治医の先生との話し方や注意すべきポイントは多くあり,対応方法もケースバイケースです。
 弊所では高次脳機能障害のおそれのある被害者ご家族の方からのご相談を多数受けており,御症状や事故の状況をうかがったうえで,その具体的な状況に応じた丁寧なアドバイスをさせていただいております。ご相談は無料です,まずはネットまたはお電話にてご連絡ください。

相談料・着手料無料

まずはお気軽にお問い合わせください

電話受付時間外土・日・祝日は、メールによるお問い合わせ・相談予約を承ります。

申し訳ありませんが、お電話による法律相談はお受けしておりません。皆様の置かれている状況を正確に把握するため、ご相談は面談のみとさせていただいております。何卒ご了承くださいませ。

川西、宝塚、伊丹で交通事故にお悩みなら弁護士にご相談を|H&パートナーズ法律事務所