事案紹介case

case054 死亡事故

被害者が赤信号を無視したものの,加害者車両が警ら中のパトカーであったため,加害者にも過失が認められた事案(事故時37歳女性看護師・/事故時5歳・幼児)

事案の概要

 午後0時25分頃,兵庫県丹波市内の信号機により交通整理の行われている十字路交差点において,直進進入した被害者A運転の普通乗用自動車(後部座席には被害者Bが同乗)と,直進進入した加害者運転のパトカーが出合い頭の衝突したもの。 被害者車両は事故後横転し,そのまま前方に滑って車体前方と天井部分が信号機の支柱に衝突し,自力走行不能であるほどに大破した。 被害者A及び被害者Bは,いずれも事故後間もなく死亡した。

受傷の状況

被害者A,被害者Bとも脳挫傷に起因する外傷性ショックにより死亡

自賠責での等級認定

死亡

争点

① 事故態様
② 加害者にも過失が認められるか(自賠法3但書に基づく免責の認否)

裁判所の判断

①について
 本件事故は,信号機による交通整理の行われている交差点における直進車同士の出合い頭衝突事故であり,事故時は全赤状態が終了してから数秒のうちに発生している。すなわち,加害者車の対面信号機である東西信号機は青色表示で,被害者車の対面信号機である南北信号機は赤色表示である。
 被害者遺族は,目撃者の供述を根拠に,被害者が青色表示(または遅くとも全赤状態)の時点で本件交差点に進入したと主張するが,目撃者らの供述からはそうした信号表示の状態であった事実は認定できない。
 
②について
〔結論〕
 
 加害者にも1割の過失が認められ,自賠法3条に基づき責任が認められる。

〔理由〕
 加害者は,事故時15年の経験を有する警察官として,事件事故の処理,学童保護立番や巡回連絡などの業務を行っていた。
 一般には,自動車運転者は,通常,信号機の表示するところに従って自動車を運転すれば足り,特別の事情がないかぎり,赤信号を無視して交差点に進入してくる車両のありうることまでも予想すべき注意義務はない(最高裁昭和43年12月24日第三小法廷判決参照)。
しかし,加害者が前記十分な経験を有する警察官であり,本件事故当時も加害者車の赤色灯を作動させて警ら中であったことを併せ考えると,対面信号機が赤色表示であるにもかかわらず,減速しないという走行方法をとる車両の運転者が,道路交通法等の法規に違反する可能性を認識し得るというべきである。
本件でも,二度目に被害者車を確認した時点では,南北信号機が赤色表示である本件交差点に向けて直進する原告車の運転方法が自然でなく,被害者車の運転者が前方不注視等により,信号赤色表示に従わずに走行している可能性を認識し,そのまま本件交差点に親友する可能性を認識し得たといえる。
したがって,加害者に過失がないとまではいえず,前記判断が相当である。

【認定損害額】
◇被害者Aの損害額  7222万6438円
 葬儀費用       150万0000円
 逸失利益      4972万6438円
 死亡慰謝料     2100万0000円

◇被害者Bの損害額  4732万4531円
 葬儀費用       150万0000円
 逸失利益      2582万4531円
 死亡慰謝料     2000万0000円

出典

神戸地裁平成29年9月14日判決

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