事案紹介case

case055 死亡事故

左折巻込み事故によりバイク運転の被害者が死亡した事故において,損害の公平な分担という観点から被害者には過失が認められないとされた事案(事故時19歳男性・会社員)

事案の概要

 午後9時3分頃,東京都あきる野市内の信号機により交通整理の行われている交差点において,加害者運転の普通乗用自動車が左折しようとしたところ,その左後方から直進してきた被害者運転のバイクと衝突したもの。 被害者は,衝突により転倒,滑走し,近隣家屋のブロック塀に衝突し,同日中に死亡した。

受傷の状況

 鈍的心損傷,上行大動脈起始部損傷,外傷性腹腔内出血,左足外踝擦過傷,左膝外側擦過傷等の傷害を負い,心タンポナーデにより死亡

自賠責での等級認定

死亡

争点

① 過失割合
② 被害者の基礎収入額

裁判所の判断

〔結論〕 
 被害者:加害者=0%:100%

〔理由〕
 加害者は,本件交差点を左折するにあたって,手前30mの地点に至る3秒前程度に左合図を出した上で,できる限り本件道路の左側端に寄り,かつ,できる限り左側端に沿って徐行し,後方から走行してくる車両の有無や動静等の安全確認を行うべき注意義務があったのに(道交法34条1項,同法53条1項,同法施行令21条),自身の車の後方を走行している被害者車両を認識しながらも,本件交差点の手前16.3mの地点に至って初めて左折の合図を出し,交差点の側端から7mに至るまで幅員4.4mの本件車線において左側方1.6mの間隔を空けたまま走行し,被害者バイクと衝突するまで被害者の動静を十分に確認していなかったのであるから,本件事故につき過失がある。
 ここで,被害者においても,本件交差点手前の横断歩道に差し掛かるころにはバイク前部が加害者車両の左側方後部付近に併走する状態になっていたのであるから,加害者の動静を確認しつつ安全に走行するべきであったということはできるものの,上記加害者の過失の内容や程度に照らし,損害の公平な分担という観点から被害者に過失相殺をするような落ち度があったとはいえない。
 したがって,上記過失割合が相当である。

②について
〔結論〕 
 賃セ男子全年齢平均額を基礎収入額とする。

〔理由〕
 被害者は,給与取得者であったと認められるが,本件事故時は19歳であり,仕事も真面目に行い会社からも期待され,いろいろと資格をとって仕事を続けていきたいという意欲があったことも踏まえれば,被害者において将来的に賃金センサスの男性学歴系全年齢平均賃金程度の収入を得られる蓋然性があったと認めるのが相当であり,その基礎収入額としては,本件事故のあった平成24年の賃金センサス男子労働者全年齢平均賃金529万6800円とするのが相当である。

【認定損害額】
 治療費          50万9520円
 文書料             1950円
 入院雑費            1500円
 葬儀関係費用      150万0000円
 入院慰謝料         1万7667円
 死亡逸失利益     4787万5656円
 死亡慰謝料      2600万0000円
 車両損害         53万9000円
 レッカー代及び保管費用  13万7160円
 弁護士費用       710万7293円

 ∴認定損害額合計   7818万0226円

出典

東京地裁平成29年9月4日判決

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