事案紹介case

case041 高次脳機能障害

小学生が自転車で交差点を横断中,左方から進入してきた自動車にはねられ,2億2800万円余りの損害額が認定された事案(事故時12歳男性・小学生)

事案の概要

午後6時20分ころ,名古屋市内の信号機による交通整理の行われていない交差点において,学習塾帰りの被害者が自転車で西から東へ横断して始めたところ,乗用車を運転し南進してきた加害者が避けきれずに衝突したもの。

受傷の状況

脳挫傷,急性硬膜外・下血種,びまん性軸索損傷,上下顎骨・左鎖骨骨折 等

自賠責での等級認定

別表第一第2級1号 (神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し,常時介護を要するもの)

争点

①本件事故態様における過失割合
②事故時小学生の逸失利益算定において,大学卒平均賃金を用いることはできるか。

裁判所の判断

①について
〔結論〕 
 被害者:加害者=20%:80%
〔理由〕
 加害者は,事故現場である交差点に直進進入するにあたり,交差点またはその直近で道路を横断する自転車等に注意し,できる限り安全な速度と方法で進行する義務があり,また法定速度を遵守する義務があったにもかかわらず時速約20キロメートルも超過した速度で進行し,交差点手前約15メートルでようやく被害者を発見したのであるから,過失が認められる。
 他方,被害者は,横断歩道上を横断するにあたり,左右を確認し,南北を通行する車両の有無,動静に注意して横断すべきであったにもかかわらず,これを怠り,左方への注意及び安全確認が不十分なまま横断歩行した過失が認められる。
 そうすると,本件事故は,自動車対自転車の事故であること,被害者が児童であったこと,加害者の速度違反は著しい過失であるというべきこと,被害者が一時停止のうえ横断歩道上に進出したことを考えると,加害者から被害者の発見が必ずしも容易ではないことを考慮してもない,加害者の安全確認義務違反及び速度超過の過失が重大であるというべきである。
 したがって,前記過失割合が相当である。

②について
〔結論〕 
 用いることができる。
〔理由〕
 被害者は,小学生から学習塾に通い熱心に勉強をしており,本件事故後通信制大学に入学し,在学中であること認められることからすると,被害者は,生涯を通じて大卒者としての平均賃金を得る高度の蓋然性があったものと認められ,基礎収入としては,男子大学卒全年齢平均賃金を採用するのが相当である。

【認定損害額】
 治療費           713万1084円
 将来治療費         527万7774円
 入院雑費           38万2500円
 付添看護費         968万0000円
 交通費            84万2637円
 逸失利益         7827万9014円
 将来介護費        9935万2671円
 自宅改造費          36万8650円
 器具・装具購入費       94万0094円
 成年後見申立費用        4万5599円
 入通院慰謝料        340万0000円
 後遺障害慰謝料      2250万0000円
 
 ∴認定損害額合計   2億2820万0023円

出典

名古屋地裁平成21年12月15日判決

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