事案紹介case

case040 高次脳機能障害

原付で直進していた被害者が,前方不注意のまま右折してきた加害者と衝突したところ,過失割合0として,1億2469万円の認定損害額全額の賠償が認められた事案(事故時23歳男性・大学院生)

事案の概要

 午後6時20分ころ,千葉市内の片側1車線の道路を進行していた加害者運転の貨物自動車が,道路外にあった駐車場に入るため,一旦停止し,対向車3台をやり過ごしたのち,その後には対向車はないものと考え,右折進行したところ,その後対向車線を進行してきた被害者運転の原動機付自転車と衝突したもの。

受傷の状況

右急性硬膜下血腫,右脳挫傷,右頭蓋骨骨折

自賠責での等級認定

別表第二第5級2号 (神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し,特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの)

争点

本件事故態様における過失割合

裁判所の判断

〔結論〕 
 被害者:加害者=0%:100%
〔理由〕
 加害者は,路外の施設に入るべき対向車線を右折横断するについては,直進する対向車量の有無について厳に注意を払い,これを発見した場合には,進行を停止すべき注意義務を負っている。しかし,加害者は,事故当時,小雨は降っていたものの,前方の見通しに特段の妨げはなく,現場手前で約10秒くらいも停止して対向車の有無を確認し,被害者車両は前照灯を点けていたにもかかわらず,衝突するまで気が付かなかったというのであるから,その注意義務の懈怠は著しいものといわなくてはならない。こうした甚だしい前方不注意は,この種の事故類型で織り込み済みでもない。
 他方,被害者にも,加害者車両の動静に対する注視を怠った過失はないとはいえないが,その動静を予見し,被害者に回避を要求することは,時間的及び距離的に非常に困難であるから,その過失を重く見ることはできない。
 以上の諸点に加え,加害者車両が事故直前に右折の合図をした事実は認められず,被害者車両が原動機付自転車であり,加害者車両が貨物自動車であったことも勘案すると,本件は,加害者の一方的な過失により発生したものとするのが相当である。

【認定損害額】
 入院治療費          447万3912円
 入院雑費            39万4500円
 通院交通費          180万2771円
 介護料(症状固定前)     496万1500円
 介護料(症状固定後)     961万6568円
 休業損害(家事)       424万8190円
 逸失利益          9245万9344円
 傷害慰謝料          374万0000円
 後遺障害慰謝料       1700万0000円
 モバイルツール代         4万2000円
 (右手が不自由なため必要な筆記用具)
 物損              19万3600円
 介護器具レンタル代      100万6176円
 家屋増改築代         406万5000円
 学費              85万0600円
 短下肢装具代          12万0510円
 文書料              4万8930円
 弁護士費用         1198万0000円
 
 ∴認定損害額合計    1億2468万5185円

出典

千葉地裁平成22年5月28日判決

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