事案紹介case

case039 高次脳機能障害

前方車が急な進路変更をしたため避けようとして転倒し,重度後遺障害を負った被害者につき,2億6000万円以上の損害額が認定された事案(事故時21歳男性・大学生)

事案の概要

 片側3車線の青梅街道上の道路において,加害者は貨物自動車を運転し,第2車線を走行していたところ,対向車線右折車専用レーンの停止線からはみ出た状態で停止している車両を避けようとして,後方確認をせずウインカーを出さないまま左にハンドルを切り,加害者車両の左半分程度を第1車線に進入させたため,バイクを運転し第1車線を後方から走行してきた被害者が,衝突を避けようとして転倒したもの。

受傷の状況

頭部外傷,広汎脳挫傷,視神経損傷,頭蓋骨骨折,眼窩底骨折,脾破裂,膵のう胞,外傷後水頭症,視機能障害,顔面瘢痕 等

自賠責での等級認定

別表第一第1級1号相当 (神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し,常に介護を要するもの)

争点

①本件事故態様における過失割合
②可能な限り母による介護が予定される本件での将来介護費用

裁判所の判断

①について
〔結論〕 
 加害者:被害者=100:0
〔理由〕
(上記の)本件事故態様に照らせば,加害者車両と被害者車両は接触はしていないものの,被害者が,加害者車両の進路変更を予測することは困難であるし,進路変更してきた加害者車両との接触を避けようとして転倒したことはやむを得ないといえるから,本件事故の発生について,被害者に過失があったということはできない。

②について
〔結論〕 
 両親が67歳までは日額8000円,それ以降は職業介護人による介護が必要となり,日額1万6000円の介護費用が,生涯認められる。
〔理由〕
 被害者は,高次脳機能障害のため,記銘・記憶力,認知力,言語力といった意思疎通能力,理解力,判断力といった問題解決能力等が著しく低下し,食事,更衣,排泄行為,入浴当の日常生活動作に全面的な解除が必要な状態であり,生涯にわたって常時介護の必要がある。
 そして,被害者の母が67歳になるまでの間は母による介護が期待できるが,その後,被害者の平均余命の年齢に至るまでは,職業介護人による介護が必要である。

【認定損害額】
 治療費               737万4840円
 交通費                22万7570円
 入院雑費               87万4500円
 付添看護費             378万9500円
 自宅介護費用(症状固定まで)     60万8000円
 将来介護費            8954万7640円
 逸失利益           1億2024万1277円
 入通院慰謝料            480万0000円
 後遺障害慰謝料          3000万0000円
 確定遅延損害金           554万3633円

 ∴認定損害額合計       2億6300万6960円

出典

東京地裁平成22年11月24日判決

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