事案紹介case

case049 その他の重度障害

リハビリの効果が出ていることを理由に,症状固定日後についても治療費及び入院雑費が認められた事案(事故時73歳男性・不動産経営者)

事案の概要

午後1時35分頃,名古屋市内においての信号機により交通整理の行われている交差点において,加害者が青信号に従って時速40km本件交差点に進入したところ,自転車横断帯の中央付近を自転車で進行している被害者を手前10.3m手前で発見し,急ブレーキをかけたが間に合わず,衝突したもの。

受傷の状況

頚髄損傷,頸部外傷,不全四肢麻痺 等

自賠責での等級認定

別表第一第1級1号
(神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し,常に介護を要するもの)

争点

① 過失割合
② 症状固定後の治療費は認められるか。

裁判所の判断

①について
〔結論〕 
 被害者:加害者=60%:40%

〔理由〕
 本件事故は,信号機により交通整理が行われている交差点における事故であり,被害者が赤信号を無視し,加害者が青信号に従い本件交差点に進入したことから発生事故であること,被害者が高齢者であり,自転車横断帯を進行していることを考慮すると,前記割合が相当である。

②について
〔結論〕 
 認められる。

〔理由〕
 被害者は,重篤な四肢麻痺のため体位変換など生命維持に必要な身の回りの処理について常に介護が必要であったこと,被害者の妻は高齢で,子は仕事があるため自宅介護は困難であることが認められ,病院や介護施設を利用することはやむを得ないといえる。また,症状固定後も関節可動域や筋力出力の維持,ADL(日常生活能力)低下防止のため,リハビリを受ける必要があったことが認められる。
この点,被告は,リハビリテーションによる症状改善の効果が認められるのは1年程度であり,症状固。定後の応力工場のためのリハビリテーションは認められない旨主張する。しかし,①治療を担当した医師が,リハビリテーションを継続することにより,症状固定後も関節可動域及び筋出力の維持向上が認められるとしていること,②原告は症状固定時には歩行不能で,車いすでの自走できず,通常のスプーンやコップを使用しての食事は不能であったが,リハビリ開始後は,車いすでの自走や固定型四点歩行器での歩行が可能になり,ベッドの手すりを利用して寝返りを打つこともでき,スプーンやコップを使用して介助なしで食事をすることができる状態となっていることから,リハビリが被害者の関節可動域及び筋出力に一定の効果をもたらしたことが認められ,これらの事実からすると,関節可動域及び筋出力の維持のためにもリハビリの効果があることが認められるから,加害者の主張は認められない。

【認定損害額】
治療費(症状固定日前)     546万6112円
治療費(症状固定日後)     176万6208円
付添看護費            39万6000円
付添交通費             7万4400円
入院雑費(症状固定日前)     98万8500円
入院雑費(症状固定日後)    162万3300円
転院交通費               7508円
装具代等             10万7549円
後遺障害慰謝料        2800万0000円
介護施設利用料         429万0610円
将来介護施設利用料       539万4619円

∴認定損害額合計       5188万4531円

出典

名古屋地裁平成26年7月18日判決
自保ジャーナル1932号39頁

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