事案紹介case

case027 遷延性意識障害

ボンネットから転落し頭部を強打したことにより,遷延性意識障害の症状に陥った被害者につき,計3億7329万1792円が事故による損害額として認定された事案(事故時20歳男性・大学生)

事案の概要

被害者が悪ふざけで加害者車両のボンネット上にうつ伏せになって乗っていたところ,加害者が被害者がそういった状態にあることを認識しながら,車を発進させ,時速約10kmの低速で走行したが,すぐに停止することなく,左にハンドルを切ったところで,その際に右向きにかかった力により,不安定な状態でボンネットに乗っていた被害者を滑落させて転倒させ,傷害を負わせたもの。

受傷の状況

急性硬膜下血腫,頭部外傷後遷延性意識障害,四肢体幹運動障害等

自賠責での等級認定

別表第1第1級1号 (神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し,常に介護を要するもの)

争点

過失割合 ほか

裁判所の判断

〔結論〕
加害者:被害者=80%:20%
〔理由〕
 たしかに,被害者は,当時20歳の大学生であり,ボンネットに伏臥して車両を発進させれば転落する危険があることは極めて容易に予見することができたといえる。しかし,被害者と同じ大学に通う加害者についても全く同様のことが当たる以上,被害者の過失を強調すればするほど,同様に加害者の過失が大きいと強調しなければならない関係にある。そのため,被害者の過失割合が加害者の過失割合を上回ることは考えられない。
 また,加害者は被害者の生命,身体に危険を及ぼす可能性がある以上,他人の生命,身体に危険を及ぼす可能性はない被害者よりも責任は重く,さらに,発進後すぐに停車しなかった加害者には相応の過失がある。
 もっとも,被害者も,自身がボンネット上に乗車した行為は,そうした状態での発進を容認し,挑発的行為であるとも評価できるから,相応の過失が認められる。
 よって,前記の過失割合が相当である。

【認定損害額】
治療費            142万0659円
入院雑費            49万9200円
付添看護料(症状固定前)          0円
通院交通費           85万5057円
休業損害           199万2567円
逸失利益        1億1455万8209円
将来介護費       1億5903万8917円
住宅改造費         1895万9680円
車両改造費          286万2212円
介護ベッド費用        375万1673円
介護リフト費用        372万9046円
シャワーキャリー費用     329万8070円
車いす費用          407万4336円
医療機器費用         436万8757円
将来雑費          2258万3400円
傷害慰謝料          330万0000円
後遺障害慰謝料       2800万0000円
∴認定損害額合計    3億7329万1792円

出典

名古屋地裁平成23年2月18日判決 交民44巻1号230頁 自保ジャーナル1851号1頁

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